不妊治療に対するストレス軽減に鍼治療が有効(女性心身学 2016年の発表)
鍼灸師
これまで鍼灸師としてたくさんの不妊治療を頑張る患者さんと接してきました。
鍼灸治療が不妊治療中の患者さんに対して力になれることを、論文を元に
ここに記していきたいと思います。

不妊治療中の方に鍼灸ができること

不妊治療を受ける中で、病院での治療と並行して鍼灸治療も並行して受ける方も少なくありません。

残念なことに、鍼灸治療が不妊症に与える効果は賛否両論あり今の段階では一概に鍼灸治療を併用すると妊娠率が上昇するとは言い切れないことがこれまでの研究の現状です。

アメリカの研究では、不妊治療中の患者さんは非不妊の方と比べて実際に受けているストレスや不安の強度が強いことが研究の結果から明らかにされています。またこれらのストレスや不安が強い患者は妊娠率が低いことも事実です。

鍼治療は、女性不妊患者の精神的ストレスを緩和させストレスの表出である、

【不安・抑うつ・気分変調】を軽減し、結果として妊娠に至ったというケースが増えています。

不妊治療におけるストレス

連日の注射や血液検査、超音波検査、採卵、妊娠への期待、周りの不妊治療に対する無理解など。

鍼をする部位と目的

田口 玲奈
女性心身医学 20(3), 302-307, 2より抜粋

これらのツボは精神安定やストレス緩和・血流を上昇させる目的で施術します。

各ツボに10分間置鍼。(置鍼とは、鍼を体に刺入したまま時間を置くこと。)

星状神経節近傍付近にレーザー(LLLT)を両側3分

施術の頻度

3ヶ月間 週に2回 計24回の施術

上記条件で施術を行いました。

鍼治療前後の精神的な変化

POMSという心理検査を用いて、鍼を行う前後で感情の変化を推察した結果上記のグラフの結果となりました。

POMSとは「緊張」「抑うつ」「怒り」「活気」「疲労」「混乱」の6つの尺度から気分や感情の状態をより簡便に測定

https://www.chibatc.co.jp/cgi/web/index.cgi?c=catalogue-zoom&pk=153 引用

緊張・不安・抑うつ・落ち込み・怒り・敵意・混乱は鍼前より優位に低下した。

現状の研究からわかっている鍼治療の効果

鍼治療は副腎皮質ホルモンやエンケファリン・βエンドロフィン・セロトニンなどの分泌に影響することが明らかになっています。

これらの神経伝達物質の変化は【不安・抑うつ】などの感情と関連が深く中枢神経の異常において有益な効果をもたらす可能性があると示されています。

原著論文:不妊女性の精神的ストレスに対する鍼治療の有用性Acupuncture for women under infertility treatment : its possible ameliorating effect on psychological stress:田口 玲奈TAGUCHI Reina
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